更年期
個人差はありますが、多くの場合、女性は50歳前後で閉経を迎えます。この前後10年間を「更年期」と呼んでおり、様々な症状が起こりやすくなります。閉経になると女性ホルモンが急激に減少するため、身体がそのような環境に対応できなくなります。その結果、ホットフラッシュ、頭痛、肩こり、めまい、関節痛、不眠、イライラ、集中力の低下などに悩まされます。こうした更年期症状によって日常生活に支障をきたしている場合は、更年期障害と診断されます。
このような方は医師にご相談ください
- 体のほてりが治まらない
- 安静にしていても汗が出てくる
- 冷え性に悩んでいる
- 動悸や息切れがする
- もの忘れが増えた
- 自分の考えがまとまらない
- 頭痛や腹痛、腰痛に悩んでいる
- 気分が落ち込むことが多い
- 十分に眠れない
- イライラすることが多い
- 何となく体がだるい
など
検査と治療
更年期障害が疑われる場合は、当院では患者さまの状態に応じ、漢方薬を用いたりあるいは抗うつ薬や抗不安薬を使用したり、更にはカウンセリングなど追加したりします。
月経前症候群(PMS)
月経前症候群は、生理期間が始まる約1週間前から生理開始後数日間続く、心と体の不調です。生理がある女性の3割程度の人に月経前症候群があると推定されていますが、日常・社会生活に支障をきたすほどの症状を呈する方もおられます。
心の症状としては、気分の落ち込み、強いイライラや不安感が、体の症状としては、頭痛、関節痛、むくみ、乳房の張り等がみられます。治療としては、アルコールやカフェインの摂取を控える等の生活習慣の見直しに加え、低用量ピル、漢方薬、抗うつ薬等を使用する薬物療法などがあります。
月経前不快気分障害(PMDD)
月経前不快気分障害は、月経前症候群症状のうち、気分の落ち込み、イライラや不安といった精神症状が顕著に認められる場合に診断されます。日常・社会生活に支障を来すだけでなく、更にひどい人になると死にたい気持ちがみられ、さながらうつ病のような状態を呈します。治療は月経前症候群に準じますが、治療に難渋することもあります。