うつ病について

うつ病は、憂うつな気分が続き、食欲や仕事・家事などへの意欲が低下してしまう病気です。そのほか、身体的な自覚症状を伴うことも多いです。なお、うつ病は気持ちの問題などではなく、ましてや心が弱いためにかかる病気などではありません。すなわち、気力で解決することは不可能なのです。適切な治療が不可欠ですので、下表のような症状がみられるときは、お早めに当院をご受診ください。

うつ病の主な症状

  • 気分が沈む
  • 何事にも興味がわかない
  • 寝つけない、途中で頻回に目が覚める、朝早く目が覚める、熟睡感がない
  • 仕事や家事が手につかない
  • イライラする
  • 疲れを感じる
  • 自分に価値がないと感じる
  • ものごとに集中できない
  • 食欲が低下している
  • 体重の増減などがみられる
  • 不安を感じる
  • この世から消えてしまいたいと思うことがある
など

うつ病の治療

うつ病と診断されたとしても、すべての患者さまに対して同じ治療が行われるわけではありません。担当医が診察や検査を行い、患者さまにとって最善の治療法を検討いたします。具体的には、休養をお勧めしたり、精神療法や薬物療法によってつらい症状を改善していきます。うつ病の患者さまは心身のエネルギーが低下していますので、エネルギーを充電するために入院をお勧めすることもあります。なお、薬物療法においては、患者さまの状態などによって使用するお薬が異なります。詳細については、患者さまに直接ご説明させていただきます。

躁うつ病について

躁うつ病は、著しく気分が高揚する躁状態と、意欲が低下して憂うつになるうつ状態という正反対の心理状態を繰り返す心の病です。主な原因としては、うつ病と同じように環境によるストレスや、もともとの性格的な素因など、様々なものが影響していると考えられています。躁うつ病の特徴は、症状に波があることです。患者さまは、うつ状態の期間だけでなく、ときおり数日から数週間、気分が高揚してしまいます。

躁状態のときは、不自然なまでの気分の高揚感が持続し、「自分は偉い」、「自分はすごい」といった気持ちが強くなります。体じゅうがエネルギーに満ち溢れたように感じられ、あまり眠らなくても平気になったり、上機嫌でおしゃべりになったり、様々な考えが次から次へと湧き出て、じっとしていられなくなったりします。しかし、単に陽気でエネルギッシュな状態というわけではなく、お金の浪費をはじめ、いろいろなトラブルを引き起こしがちです。

一方、うつ状態のときは、気分がひどく落ち込み、憂うつな気分が続きます。何をしても「楽しい」と感じられなくなったり、億劫で何も手につかなくなったりします。身体面でも、眠れない、食欲が無い、疲れやすいなどの症状が現れます。さらに、物事を悲観的に考えがちになり、将来に絶望したり、自分を責めたり、自殺を考えたりすることもあります。そのため、患者さまに合ったお薬を服用し、治療を行います。また、患者さま自身が自分の病状について理解し、自分なりに症状をコントロールする方法を学ぶことも重要です。